FatalFang
八卦(バーグァ)
08

#008 — 受信箱

約7分1449語2026年10月24日 無料で解放

先読み · 2026年10月24日

十月二日四時十二分、匿名フォームで届いた告白。書き手が誰かは、当方にはわからない。

フォームが開いているのは二〇二二年六月六日二十三時からだ。届いた文章は三千四百十七。掲載したのは六十一。選考の会議もない、編集部もない、二人目もいない。あるのは、オリヨン通りのエレベーターなしの四階にある、八十センチ掛ける六十センチの台所のテーブルと、ノートパソコンと、私だけだ。

フォームは四つの項目でできている。本文。どうやって届けたことにしたいかを選ぶ欄——手紙、声、メッセージ、何でもいい、正しいものにチェックを入れる人はいない。掲載を認めるというチェック欄。そして送信ボタンの下に、薄い灰色の一行。当方から返信することはありません。

四年四か月で、私は十一回返信した。どこからも届いていない告白を、ひとつ丸ごと自分の手で書いた。そして自分の告白を、他人のものとして掲載した。たったひとりに読ませるために。

先読みの話

続きはもう書かれています。

この話は 2026年10月24日 に全員へ公開されます。サブスク会員は今すぐ読めます。

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