第3条(住居)妻は、パリ16区フェザンドリー通り38番地の夫の住居に居住し、妻専用の一室を使用するものとし、その鍵は妻のみがこれを保持する。妻は、当家の慣習に従うものとする。
10月3日、土曜日、10時12分。ウルク通りからタクシーで34分かかった。11.2キロ、41ユーロ。スーツケースが二つ、ケースに入れた機械、キャリーに入れたサック、そして緑のノート43冊を詰めた段ボール箱。重さ7.4キロ。ステュディオは手放さない。家賃690ユーロ、毎月5日に引き落とし。誰に言われたわけでもない。
38番地のエレベーターには蛇腹の格子扉があり、7階ぶん上がるのに51秒かかる。ジュリアン・ケスレールが自分で扉を開ける。312平方メートル、通りに面した窓が11、長さ14メートルの廊下の一方の端に彼の部屋、もう一方の端に私の部屋。彼はノートの箱を運ぶ。中身は訊かない。
私の部屋は22平方メートル。ステュディオより3平方メートル広い。中庭に面した窓がひとつ、誰も一度も寝乱したことのないベッド、錠には真鍮の鍵が、内側から差してある。ラジエーターのそばの隅に、新品の水皿と猫砂のトレイ。底にはまだ値札が貼ってある。